帳票記入ミスの原因を理解しよう! ミスを回避する防止策もご紹介

更新日:2023年06月28日
帳票記入ミスの原因

会社経営において欠かせない業務の帳票記入は、主に経理担当者の業務です。会社状況の把握や、確定申告書類作成時に利用する重要な帳票ですが、ミスが起こりやすく、頭を悩ませる担当者は少なくありません。なぜ帳票記入は、ミスが多発してしまうのでしょうか。本記事では、原因とミスを減らすための防止策を紹介します。

目次

帳票記入ミスをするとどのようなトラブルが起こるのか

帳票は、主に経営状況の確認や確定申告に必要な書類を作成する際に使用されます。この章では、帳簿の記入にミスがあると発生しかねないトラブルについて解説します。記入ミスがあると起こりうるトラブルとしては、以下の2点が挙げられます。

正しい取引記録が把握できない

帳票は、会社の経営状況を客観的に把握する材料として使用されます。取引内容やお金の流れが把握できれば、今後の経営方針を決定する判断材料としても役立ちます。しかし、正しく帳票が記入されていなければお金の流れが分からず、経営状況の把握ができません。日々のミスが積みあがれば、会社の将来を左右する経営方針・判断にまで影響を及ぼす可能性があります。

各種申告が正しくできない

帳票は確定申告に必要な書類を作成する際の根拠となるものです。帳票を元に「収支内訳書」「貸借対照表」「損益計算書」などを作成しますが、帳票が正しくなければ申告ミス・申告漏れにつながる可能性があります。帳票の不備に気づかず税務署に提出した場合は税務調査や追徴課税、重加算税が発生する恐れがあり、最悪の場合、脱税として摘発される可能性もあります。些細な帳票ミスでも、会社の評価を著しく低下させる恐れがあることを自覚し、ミスを起こさない体制の構築が必要です。

帳票記入ミスの原因

帳票の重要性が高いものであること、ミスが許されない業務であることは自覚していても、帳票の記入ミスが発生する可能性はゼロではありません。ミスが発生した場合には、ミスを責めるのではなく、なぜミスが発生したかを解明することが重要です。この章では、帳票記入ミスが発生する原因について解説します。

ヒューマンエラー

帳票記入ミスで最も多いものがヒューマンエラーです。「絶対にミスしてはいけない」と分かっていても、人間の手で行う業務である以上、失敗・ミスは付きものです。単調な作業が長引くほど人間の集中力は低下し、見落としや見間違いが発生します。ぼんやりしながらの業務では、指示の聞き間違えや伝達・認知漏れも起こりやすく、さまざまなミスを誘発してしまいます。

経験不足

担当者の経験・知識不足が原因でミスが発生してしまうケースも考えられます。これは、未経験者に対して十分に教育する体制が整っていない職場に多く、マニュアルやチェックリストが整備されていないことも、ミスが発生しやすい要因です。

慣れが生み出すミス

帳票記入ミスは、経験不足の担当者に限らず、経験・知識のある方が担当者でも発生します。単純な作業ほど慣れによる慢心は大きく、集中力は低下しやすいものです。これまで経験してきた業務だからこそ「このような部分でミスするはずがない」と思い込んでしまい、ミスが発生します。

作業する体制に不備がある

帳票記入ミスは、複数人で確認できる体制を整えることで、ある程度の予防が可能です。しかし、経理担当が1人しかいないケースや、担当者同士のコミュニケーションが取れていない場合、誰もミスに気づけないこともあります。チェック体制が整っていなければ、ヒューマンエラーは増え続け、修正されることなく残り続けてしまうでしょう。特に、紙媒体で帳票記入を行っている場合は、複数人が関わる工程ほど転記ミスや重複ミスが発生しやすいといえます。

マニュアルに不備がある

帳票記入の経験・知識のない担当者が配属されたケースでは、一連の業務が丁寧に記されたマニュアルを用意しなければ、理解が乏しいまま業務を進めてしまいます。口頭の説明だけでは、大まかな業務内容は理解できたとしても、細かな業務に対する理解は得られません。また、マニュアルを用意している場合でも、必ず現担当者が内容について、変更部分の有無を確認したり、変更があった場合には更新したりするようにしましょう。

スタッフ間の連携不足

複数人で帳票記入を行う場合、担当者間のコミュニケーションが上手く取れていなければ、伝達漏れやミスが発生しやすくなります。誰がどの作業を担当しているのかを互いに理解しておかなければ、既に入力の終わった書類を再び入力してしまうという重複ミスにつながりかねません。誰がどの工程を担当しているかをそれぞれが理解し、タスクの進捗状況を連携していなければ、ミスを防ぐことは難しいといえます。

帳票記入ミスの防止策

帳票記入ミスの原因は、ヒューマンエラーや体制の弱さ、マニュアルの不備など、さまざまなものが挙げられます。原因が把握できたのであれば、以下の防止策を元にミスを抑制・回避する手段を取り入れてみましょう。

複数人でチェックを行う

経理担当者1名で帳票記入をすることは望ましくありません。担当者が複数人在籍しているなら、ダブルチェックできる体制を整えましょう。経理担当者が1人しかいない場合は、入力後のチェックが可能な人材を、ダブルチェック担当として配属します。入力者とチェック者を同一人物とする体制を取ってしまうと「このような箇所でミスは起こらない」と思い込み、ミスを見逃してしまう可能性があります。

確認する作業をマニュアル化する

帳票記入に関するマニュアル作成も重要ですが、チェック担当者に対するマニュアルも用意しておきましょう。

チェック者の独断で確認作業を進めてしまうと、慎重に確認してほしい部分や間違いやすい部分を見逃してしまう可能性があります。全体をチェックすることに違いはありませんが、数字を細かく見てほしい箇所や、自身の手で再計算を行って欲しい箇所などを簡潔にまとめておくと、チェック者はミスを見つけやすくなるでしょう。

チェックリストを作成する

チェック者に対して用意しておきたいものとして、マニュアル以外に、チェックリストも準備しておくとよいでしょう。帳票記入は単調な作業の繰り返しで、一度チェックリストを作成しておけば、帳票記入方法に変更がない限り、同じリストを使い続けられます。入力者と同様に、チェック者もチェック項目を定型化できれば作業の効率や、確実性を高められます。ポイントとしては、全てチェックした後にチェックリストを確認するのではなく、チェックリストを元に作業を進めることです。その都度チェックリストを確認することで、手戻り作業を防ぎ、結果的に作業の効率化が図れます。

紙媒体からデジタルへ移行する

紙媒体で帳票記入を行っている場合、デジタルに移行するだけでもミスは大きく減少するでしょう。入力を自動化できれば、単調な入力作業の負担を減らせるため、入力者の集中力低下を防げます。ただし、デジタルに移行したとしても入力作業の負担がゼロになる訳ではありません。手作業で入力が必要な箇所は必ず存在するため、紙媒体にしてもデジタル媒体にしても、作業単位でミスを減らすという基本的な考えは変わりません。

適切な休憩を取る

人それぞれ集中力の持続時間は異なりますが、自分のなかで「何分作業したら休憩」と決めておくことは重要です。疲れた状態での作業は、ミスが重なりやすく、ミスが増えてしまうと、結果的に余分な業務を増やしてしまいます。「集中したいのにできない」という場合も、疲れが溜まっている証です。飲み物を飲んだり、トイレ休憩がてら体を軽く動かしたりしてもよいでしょう。適度に休憩を取りながら、丁寧な作業をするよう心がけましょう。

帳票記入ミスの原因を知って回避しよう

帳票記入は会社経営にとって重要な業務です。しかし、単調な作業の繰り返しになるため、ミスが多発しやすい業務でもあります。紙媒体に比べるとデジタルに移行する方がミスを格段に減らせますが、あくまで入力するのが人間であることは変わりありません。大まかな作業は自動で行えますが、細かな入力は手作業で行う必要があるでしょう。 担当者間の認識のズレ、体制が整っていないことなど、会社によってミスが起こる要因はさまざまです。なぜミスが起こるのかを理解し、1つ1つ解決しながら帳票記入ミスを減らしましょう。

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